邪澄n

オーディションの邪澄nのレビュー・感想・評価

オーディション(2000年製作の映画)
3.5
妻が亡くなって7年が過ぎた。
息子も大きくなり、一緒に釣りに行ったり、家に女の子を連れてくるようにもなった。よくできた息子だと思う。
そんな息子が、「そろそろ再婚でもしたら」そんなふうに言ってきた。
ひょんなことから、友人の吉川と呑んでいると再婚についての話が出た。
「いろいろな女性を見定めたい」そう答えると、吉川は、「じゃあ、オーディションをやろう!」そう言った。

シネマンションの同時視聴ができなかったこともあり、個人での視聴。
前半と後半で毛色の違う話になってくる。
そういう意味では、『マーターズ』のような構成にも似ている。ただ、マーダーズのようなストレートな拷問というよりは、もっと日本独特の陰湿な雰囲気で、高熱が出た時に見る悪夢のように意味のわからない不気味さがこびりついている。そんな映画だった。

食事をするシーンが多くみられるが、どれもこれもお世辞にも美味しそうとは言えない。ライティングが暗いせいで、余計にそう思えてくるのもしれない。

極悪なメンヘラ女子を演じている『しいなえいひ』さんは、『西村喜廣』さんの作品に多く出演していて、もう文字通り血の雨を浴びるような役を演じている。独特な雰囲気を持った女優さんで、このオーディションの中でも異彩を放っていた。

キリキリキリと、とあるシーンで恍惚の表情と共に呟かれる言葉。
僕は鍼灸院に通っていた時、そこの先生によく同じことされていました。あの先生はメンヘラ男子だったのでしょうか。
邪澄n

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