LudovicoMed

オーディションのLudovicoMedのレビュー・感想・評価

オーディション(2000年製作の映画)
4.0
膨大な三池崇史の作品上の中でも、1、2を争う傑作ではないでしょうか。

まず三池監督特有の悪ふざけや投げ出しがなく、ストーリーテリングがしっかりしている。
あとちゃんと、残酷ホラーの巨匠的な海外でも受けのいい、ゴア描写をふざけたCG表現でなく、ちゃんと痛々しく描かれている所、この2点が完璧にクリアできているだけで、現代の日本映画に突出した作品を作ることができる監督だと思います。

タランティーノやイーライロスが絶賛するだけある唯一無二のJホラーだと思うし、今回はこういう残酷表現が単にサービスで終わってるのでなく、物語の構造上重要な役割を果たしている。 なので本作のエグい描写は殺し屋1や他のヤクザ系のものよりも本当に恐ろしく感じるし、それこそが本作がホラーというジャンルになったんだと思いました。

前半ラブロマンス、後半ホラーという構成だけど、前半部で青山の生い立ちや人物感情をしっかり描き、麻美というミステリアスな存在に近づくにつれ、段々不穏になっていく。
これらを踏まえた上で中盤アッと驚くどんでん返しを見せる。ある意味シャマランみたいな衝撃ラスト的な映画の分類でもある。
いつもはストーリーめちゃめちゃの三池監督にこんな技量があったとは!

こういう作品こそ海外で自慢されたいと思いました。
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