結果的には国威発揚映画で、政治の美学化が行われるわけなのだけど、それにしてもその「美学」を基礎づけるトーキーになって10年経たない頃の最先端技術の縦横無尽さに驚かざるをえない。
この映画はもしかしたらミュージカルでもあるのではないかと錯覚させられもするし、牛や豚が喋り、自動車と汽車と自転車が疾走する、などなど、全力で見どころがつくられる。他の作品見ても思うんだけど、田坂具隆という人は乗り物フェチなんじゃないかな?特に中盤あたりの村長と子供たちが田園の中を自転車で走りそれを追いかける横移動撮影の見事さには感服であります。あとストローブユイレもびっくりの田舎の風景360°近いパンあり。