雨丘もびり

レッド・ドラゴンの雨丘もびりのレビュー・感想・評価

レッド・ドラゴン(2002年製作の映画)
4.5
捜査官が(レクターの助言を経て)連続殺人犯を捕まえるサスペンスなので、実はこのシリーズの悪役はH.レクターじゃない。
ただ、捜査の停滞にジレてくると、裏から犯人をそそのかして死体の数を増やし、事件を加速させる危険人物ではある(怯)。

小説面白かったし、この映画もすごく良かったわ!
たのしかった~☆

映画はレクターの出番が増えてる。おかげで、彼が冗談交じりにエゲツナイことするユーモラスな一面がたくさん見れました。
A.ホプキンス卿が醸し出す、地獄のチャーミングさが甘美極まる。
♪こ~ンの人殺し~ぃ!おいたして、めっ!(コツン)てへぺろ。

.....怖気。

何なら、「主人公グレアム捜査官が、善良な性格の裏に秘めた凶暴性を、レクター博士によって暴き立てられる」という胸糞描写は、映画の方が巧みかも。クライマックスの悲痛極まる対決は映画オリジナル。
えぐい。お見事。素晴らしい。

連続殺人犯ダラハイトの"脆さ"を感じさせる、筋肉質だけどどこか幼く、線の細い身体つき。
芯からの怯え、そして強さを渇望する灰色の瞳。
キャスティングも演技も芸術的。レイフ=ファインズ、素晴らしいです。
反面、さすがに多重人格症を一人演技で表現しようとすると滑稽wギャグっぽくて、そこはちょっと残念かな。
どくどくと意識が混濁するおぞましさは活字表現に及ばず。

そもそもそのトイレットペーパーいつどーやって仕込んだのよ!?っていう疑問は原作でもほったらかしなので両成敗ね。

登場人物の間引きも技アリ。ドラマがすっきりしててgood。
クロフォードがグレアムを捜査に巻き込む悪辣スギる手腕はぜひ小説で!

久しぶりに読書欲が高まり中。
ライジング~ハンニバルまで、これでコンプリート。T.ハリス万歳っ♪