とらキチ

レインマンのとらキチのレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
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「午前十時の映画祭12」にて鑑賞。
お釈迦様の掌の上でずっと右往左往させられ、もて遊ばれている孫悟空のような…そんな風に見えた。レイノルズにしたら、いくら口八丁手八丁策を弄してもチャーリーの考えてる事なんて実は全てお見通しだったんだよ!って思わされるぐらいの器の大きさを。それに、所謂“常識”の線引きって一体どこにあるのだろう?ということも考えさせられた。
「トップガン」が大成功して、トップ俳優への階段を登り始めていたトム・クルーズ。その後「カクテル」「デイズオブサンダー」のように、二番煎じの同じようなキャラクターが登場する作品で主演を張る一方で、今作のようなアカデミー賞のBest Pictureを勝ち取るような作品にもちゃんと参加している、という作品選びの嗅覚というか、そこらへんが本当にスゴいなぁと思う。でもこの時点ではまだまだ芝居が粗いというか、最近の日本の若手俳優によく見られる“イキった芝居”のようで、今作でも果敢にダスティン・ホフマンにエチュード(即興劇)として挑むんだけど、悉く跳ね返されてしまっていたように見えたけど。
そして今作のロードムービーとしての側面、特に西部へ差し掛かっての画の見せ方、切り取り方が素晴らしい。それにまだテーマホテルが林立する前の、カジノシティとしてのラスベガスを見ることが出来たというのもまた良かった。
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