ブラックユーモアホフマン

レインマンのブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
3.4
いまさら観ましたけどねーどうなんすか。

なんか別にパッとしない映画だった。
トム・クルーズは相変わらずトム・クルーズだなっていうのと、大部分はダスティン・ホフマン力(りょく)ですよね。

しかもこの演技というか配役も正直、今のコンプライアンス感覚で言うとアウト寄りのグレーじゃないかと思うから純粋にすごーいって見られない。トランスジェンダーの人の役をシスジェンダーの俳優がやるとか、そういうことに近いような気がする。
自閉症の人の演技うまーいすごーいって言うこと自体がもう既に何か差別的なニオイがしてなんだか嫌だ。

トム・クルーズ演じるチャーリーもかなり問題のある人間だった。セラピー受けた方がいい。アンガーマネジメントに通いなさい。ヒステリー起こしがちだし、大声を出したり手を叩いたりして、大きな音を出して相手を威圧して無理くり自分の意見を通そうとするハラスメント気質で嫌なヤツだったなー。スザンナ早くこんな人とは別れなさい。

トム・クルーズ実はこういう役多い。『宇宙戦争』とか。あと『トロピック・サンダー』とか笑
そしてそれって本人にそういう所がちょっとあるからなんじゃないか……とか本人に会ったこともないのに勝手なこと言うのはよくないですけどね。映画人としては大尊敬する一方で、やっぱどっか人間全体を全肯定はしづらいような複雑なところがあるのがトム・クルーズだというのが僕の所感。仕事したこともないのに勝手なこと言うの良くないですけどね!スターだからって何言ってもいいわけじゃないです。あったこともねえやつに好き勝手言われながら期待を裏切らないように気を遣ってとか、そういう信じられないようなプレッシャーの中で生きてるんですよねスターって。ネットでみんな好き勝手言いますけど。引退したり薬やっちゃったりする人がいてもおかしくないです。その点トム・クルーズはやっぱ狂人だと思います。スターすぎるから。普通あんな人ついていけないよ。

しかし一昔前までのスーパースターってみんなそういう複雑な存在だったよなと思う。マイケル・ジャクソンとか。ディカプリオもそうだし。日本なら勝新とか?笑 今はスターもクリーンで人格者であることが執拗に求められる。勿論それが正しいと思うけれど。

スザンナ役のヴァレリア・ゴリノってすーごい綺麗だったけどその後どうしてるんだろうと思ったらずっと活躍してて『燃ゆる女の肖像』でアデル・エネルのお母さん役やってたあの人だったし、監督デビューもしてたし、安心した。トム・クルーズみたいな男性スターは歳とっても仕事あるけど、女優は若いうちしか活躍できない、とかじゃ酷すぎるから。一瞬心配になったけど僕が無知なだけでした。大活躍でした。良かったです。

そう考えるとトム・クルーズが歴代共演してきた女優ってその後も活躍してる人が多い気がする。相関関係があるか分からないけど……笑

話が横道に逸れまくりました。問題を抱えた二人のロードムービーって発想はいいとしても、脚本はもっと良くできる。別に感情移入できなくてよくて、嫌なヤツで結構で、でもコイツらどうなっちゃうんだ〜!?って興味を引っぱるには、あまりに俳優頼りな脚本に感じた。演出もなんだかぼんやりしてるし、期待したような傑作では決してなかった。

ハンス・ジマー二本立てだったわけですが、このハンス・ジマーのスコアは超『ライオン・キング』。この頃こういう曲調が得意な人だったんだなぁ。なんかTotoの「アフリカ」みたいな音。

なんとなくヴェンダースを感じるところもあった。気のせいか。『都会のアリス』とか『アメリカの友人』とか『夢の涯てまでも』とか。まあロードムービーだし。

【一番好きなシーン】
ダンスは良かった。