バリー・レヴィンソン監督、バリー・モローとロナルド・バスの脚本によって製作された1988年のアメリカ映画
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第61回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞を、第39回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した
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ダスティン・ホフマン偉大なり。彼の出演作を並べると役に統一感がない。つまり、どんな役でもできてしまう。この作品をアカデミー賞の結果を知らずに観ていたとしても、彼が受賞したに違いないという確信を持たせる。自閉症という難しい役柄だが、役に入った彼は、もはやダスティン・ホフマンではない。
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金目当てのチャーリーと存在さえ知らなかった自閉症の兄、レイモンド。そんな2人が旅をするロード・ムービーなんだけど、タイトルにもなっている「レインマン」というキーワードや、兄弟の距離が縮まっていく姿は感動的だ。レイモンドの能力に疑いを持つかもしれないが、モデルになったキム・ピークという人物がいる。
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チャーリーを演じたトム・クルーズ。演技賞にはそんなに縁がないだけに、あまり演技派というイメージもないけど、この人は作品に恵まれた俳優だ。とにかくヒット作に出演が多い。ヨーロッパなどでカルト宗教と言われているサイエントロジーに傾倒してるのが、俳優としての障害になってるんだよなあ。
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これは兄弟の絆を描いた物語。ごちゃごちゃとした混ぜ物がなく、2人にスポットを当てた物語だから、解りやすくていいと思う。ダスティン・ホフマンの演技は必見だし、バリー・レヴィンソン監督の映画の雰囲気はとてもいい。数々の賞を受賞した理由を確かめてほしい。