ウィーンの音楽学院で講師をしている39歳のエリカ
母親はエリカをピアニストにするため全てを注ぎ込んできたためずっと娘の全てを支配し続けている
期待に応えられなかったエリカもまたそんな母親に依存している
抑圧された欲望が歪みまくって人には言えないような性癖を持ってしまいます
それを美しい映像、格調高い音楽と共に描くハネケのセンスが好きです
歪んだ妄想を、自分に好意を持つ青年ワルターに要求してしまうエリカ
ワルターはもちろんひきまくりです
そして欲求はあるのに未知の領域には怯えまくるエリカ
エリカの欲求は本当に望んでいたものではなく現実を知らなさ過ぎてAVで短絡的に学んだ中学生男子みたいな妄想にすぎなかったんですね
性が絡んだアプローチが下手くそすぎて彼女の生き方に哀切を覚えます
クールだったエリカが段々と幼子の様に見えてきてちょっと可愛く思えてきました
でも39歳でリアルの人間に妄想を晒してしまった本人には圧倒的な絶望感しかありません
現実を知ったエリカちゃんが成長してくれるといいなと願わずにはいられないラストでした
イザベル・ユペールの指キレイだったなぁ