踊る猫

踊る猫の感想・レビュー

2017/03/21
ピアニスト(2001年製作の映画)
4.0
駄作だとは思わない。ただ、「ミヒャエル・ハネケの映画にしては」点が低くなってしまった。変化球を投げ続けて来たハネケが投げた「豪速球」のラヴ・ストーリーといった感がある。そのストレートさ、例えば母親と主人公の娘/女との屈折した関係や性癖をこじらせて男とまともなセックスが出来ない変態さの描き方はしかし、成功しているかどうか。もう少しこちらを裏切る要素があれば……と思ってしまったのはないものねだりなのか。ハネケらしい要素はあちこちに散見される。例えば個室に閉じこもってテレビを観続ける母親が代表する「引きこもり」故の「閉塞感」(『ファニーゲーム』が密室劇だったことを思い出そう)、あるいはロングショットの使い方等など。官能的な要素、相手を切実に求めることとハネケのそうした「突き放した」描き方がミスマッチを起こしてしまっていると受け取ってしまったのでこうした評価になったのかもしれない。