LATESHOW

ピアニストのLATESHOWのレビュー・感想・評価

ピアニスト(2001年製作の映画)
3.9
老母が中年の娘に過干渉し
支配しているやりとりから
不穏に始まる物語。
抑圧されて生きてきて
殴られないと愛情を感じ取れない、
恋愛対象なのか性的対象なのか
自分でも判断が出来ない。
途中からふと
彼女は人に対する共感能力が
欠落しているんじゃないか、
いや、親から教わってこなかったんじゃないか。
そう思った途端、表情と演技も相まって
ひどく悲しい気持ちになった。
さんざんストーキングして
彼女の倒錯した性癖に直面したら
重さにドン引きしてヤリ逃げかよ。
まともに愛情を注がれないと
人ってこんなに歪むのか。
ナイフで胸をついて
内に秘めていた抑圧と衝動を
殺した時見せた般若フェイス。
イザベル・ユペールから片時も目が離せなかった。
不愉快な人物像を次々作り上げる
ハネケ監督にしてやられた。
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