ずけし67

ピアニストのずけし67のレビュー・感想・評価

ピアニスト(2001年製作の映画)
4.1
ピアノ教師と教え子のいけない情事、甘く切ないラブストーリー... なんてイメージで観たら大ヤケドします。

この映画、僕的ジャンル分けでは " 変態モノ♡ " に分類されるシロモノでございます。(本作を真面目に評価している人ゴメンナサイ(汗 )

監督はミヒャエル・ハネケ、あの胸クソ名作「ファニーゲーム」の監督さんということで、あーなるほど " クセが強いんじゃあ " と納得してしまうというね。


母子家庭で過干渉の母親に育てられたピアニストのお話です。

名のあるピアノ教師のエリカは、中年になった現在も母親と2人暮らし。
小さい頃からずっと母親の強烈な干渉の下で育っており、当然、異性交遊など皆無の厳しく制限された人生を送ってきたと思われます。

そうした長年にわたる抑圧や束縛のおかげで、一見キリッとして威厳のあるピアノ教師という外見とは裏腹に、その内に秘めた感情、思考は歪んでねじ曲がっており、特にその性的嗜好はド変態と化しているのでありました。

そんなある日、エリカにアプローチをかけるイケメン男子生徒が現れる。
それは思春期に見られる年上女性への憧れなのか、それとも本気の恋心なのか、はたまたただの興味本位なのか。
「いや、あり得ないし」と、当初は真に受けずにスルーしていたエリカですが、でもまんざらでもない雰囲気へとなっていき...



まず、エリカに対する母親の干渉っぷりがハンパない。
たけし風に言うと「こんな母ちゃんはイヤだ!」

娘が中年おばさんになった現在でも、着る洋服やその色柄にまで口を出し、母親の気に召さない派手な洋服は破り捨て、ハンドバッグの中身も細かくチェック、帰宅時間が少し遅れただけで何をしていたのか理由を執拗に問いただすという徹底っぷりでございます。
ちなみにエリカをピアニストになるように仕向けたのも母親です。

そしてイザベル・ユペール演じるエリカの雰囲気がまた独特。
そもそも " ピアニスト " というと、お行儀の良い高貴な世界の人、みたいなイメージを思い浮かべるのですが、エリカはそれっぽくありながら、でもいつもムスッと無表情、ただピアノや音楽に対するこだわりは強く、さしずめ " 頑固じじい " ならぬ " 頑固ピアノおばさん "
レッスンでは生徒に対して容赦なくビシビシと激を飛ばすなど、ピアノに関しては激しく感情を表します。

でもそんなピアノの先生が、実はとんでもなく歪んだ性的嗜好を持ったド変態だったというね。

ネタバレになるので多くは語れませんが、例えば他人のカーS〇Xを覗き見しながら車の横にしゃがんで○○してみたり、カミソリ使って○○してみたり、出るわ出るわ、どれをとっても一級品の変態っぷり。

そんなこととは微塵も知らないイケメン男子生徒とエリカの関係や果たしていかに!?

そこからの2人の関係、展開を、観た感じに表現しますと、

それって、いいの?
じゃなくて?
はあ?そうでもなくてそっち?
でもやっぱりこっちってこと?
うへえ...
マ、マジ変態やん!!
それで、そうくる!?
だからそうしてみると...
どひゃー!痛い痛い!
で、そうしてもそうなるわけ?
わ、わからん、意味わからん!
でも...お、おもろいやんけ...

なんて感じの展開でありましたww(←どんな感じよ)


ただ、もともと本作はおふざけ路線の作品ではなく、不幸にも母親の極度の過干渉から「ノーマル」とは異なる存在になってしまった自分に苦悩する主人公の姿を描いたシリアスな作品と思われ、さらに言うと、僕もそうですが人は誰でも程度の差はあれ他人とは違う自分に何かしらの違和感やコンプレックスを持って生きているわけで、なので僕みたく「変態♡ 変態♡」言って喜んで観ちゃいけない作品かもです。
改めて、本作を真面目に評価している人ゴメンナサイ。

しかしラストにエリカが見せた奇怪な行動と、何よりそのときのなんとも形容しがたい表情(顔芸?)はなかなかのインパクトでございました。

こんな顔だったっけ?と鏡の前で思わずマネせずにはいられないというね。
本作ご覧になった方、是非あの表情、上手にできるか鏡の前でやってみてくださいね。

結局あの行動は何を意味していて、そんであの後どうなったのだろうか???

ぽかんと口を開けたままエンドクレジット(無音)へ突入、といった感じの幕切れなのでありました。