けーはち

ピアニストのけーはちのレビュー・感想・評価

ピアニスト(2001年製作の映画)
3.8
そう言えばヴァイオリン奏者の高嶋ちさ子が楽器の練習をしない息子のゲーム機をバキバキに壊した事件とかあったなぁ……“ゲーム機 バキバキ”とかでggって頂ければ出てくるかと。

クラシック音楽はかくも勝つため練習練習、体育会系マッチョなノリ。そういう育て方をされたアラフォー処女は、ウィーン国立音楽院の教員で、変態性癖を能面顔に隠して生きている。変態こじらせ処女の滑稽、無様、醜怪、そして純粋な恋を、イザベル・ユペールが見事に演じきってみせる。母娘、師弟、男女の強固な支配/被支配の構造、そこから生み出される一方通行の暴力的な行為。それを求めるサドマゾ的な関係。そして、“解放”🔪……ハネケ監督は本当にひどい(褒め言葉)。悲しくも美しく、そして何だかイヤ~な雰囲気を堪能できる。