GreenT

ビルとテッドの地獄旅行のGreenTのレビュー・感想・評価

ビルとテッドの地獄旅行(1991年製作の映画)
1.0
2作目は、ビルとテッドが未来に作った「Bill & Ted University」から話が始まるのだが、2人が作ったユートピアを快く思わないChuck De Nomolos(脚本を書いたEd Solomonを逆に綴った名前)が、過去にビルとテッドそっくりのロボットを送り、2人を暗殺しようとする。

現代のビルとテッドは、歴史のクラスを見事パスして、バンド・バトルに出演する準備をしていた。中世イングランドのお姫様たちに求婚した夜、彼女たちはEvil (悪い)ビルとテッドのロボットに誘拐されてしまう・・・・・

最初の30分くらいは、前回より垢ぬけて映画っぽくなっていて「おっ」と思いました。『ターミネーター』も2作目が飛躍的にスケールがデカくなっていたし、2作目の方が良かったりして!と思いながら観てました。あ、キアヌは確実に垢ぬけてました。

面白かったのは、テッドの亡霊が、テッドのお父さんに憑りついて、お父さんがテッドみたいに喋るところ。お父さん役の俳優さん、上手い!ここは爆笑してしまった。あと、ミッシーが「ニューエイジ」の人になっていて、変な儀式をしているところが面白かった。

前回も色んなミュージシャンがカメオ出演していたみたいなんですけど、今回はフェイス・ノーモアのギターの人がオープニングでバッハと共に現れたり、バンド・バトルでプライマスが演奏したりしてました。あ、あと、最後のギター速弾きは、スティーヴ・ヴァイらしい。

・・・と、興味を持って観れたのはこれくらいで、後は爆睡してました。目覚めては巻き戻しして、見損なったところを観ようと努力したんですが、どうにも起きていられない。『マインドハンター』を観ているときは、眠くても止められないのに。

低能コメディにはそれなりの良さがあるとは思うのですが、これはあまりにも低能で(爆)、本当に興味が湧きませんでした。でも、いつも通り、カルト的に好きな人は「すっごい面白い!」と絶賛しています。しかし、2作目は1作目ほど人気はなかったらしく、興行的にもコケたらしいのですが、それに関して興味深いことを書いていたiMDBの投稿者がいたので引用します。

「1991年には、ビルとテッドは80年代過ぎた。80年代はたった数年前だったけど、この数年で音楽とか若者の服装とか急激に変わった。ギャングスタ・ラップ、ヒップホップ、パール・ジャムやニルバーナに代表されるグランジとシアトル・サウンド。ビルとテッドはオジー・オズボーン、ヴァン・ヘイレン、GNR、そして服装が80s過ぎて、すごく時代遅れに見えた。それがこの映画が興行的に失敗した一番の理由だと思う。"Excellent!"とか"Bogus"なんて言っているヤツはサーファーしかいなかったし」

だって。確かにニルバーナが一夜にしてメタルを一掃した時代だったからなあ。でも個人的には、1作目で出ていたZZトップとか、詩が引用されていたKansasとかだってすでに時代遅れと思っていたけど、まだそういう70年代引き摺っている人も生息しているころだったからなあ。

DVDのメイキングを見ても、すっごいMTVしていて、キアヌとアレックスがナンセンスなことを言いまくって、「ぎゅぃーん」とか言って「あはははは」って笑って~みたいな。

最後のバンド・バトルでは、ワイルド・スタリオンにちゃんと演奏して欲しかったなあ。『God Gave Rock 'N' Roll to You II』のキッス・バージョンに、スティーヴ・ヴァイの速弾きをのっけて、ビルとテッドの演奏シーンが曲のテンポに全く関係なく流れる、みたいなラストは興ざめだったけど、この頃の映画ってこういうの普通だったよな~。これが2020年公開の第三弾で改善されたら面白いかもしれないけど、どーなんだろ。
GreenT

GreenT