sukekooo

シンドラーのリストのsukekoooのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.0
時間も時間なので、かなり覚悟が必要だろうと思い、スピルバーグ監督のリストの最後に取っておいた作品。
無慈悲に殺されるシーンの積み重ねは、どう足掻いてもつらいものとして残った。建築家リーダーの女、怪我をした女、並ばされて一人おきに撃たれた男…考える余地なく殺されていくシーンはスピルバーグ監督ならではの所業である。
オスカー・シンドラー、アーモンド・ゲート将校など、上に立つ人間の感情の揺れが気になった。シンドラーは終盤になるにつれて、ユダヤ人をどうしたら守れるかを考え、最後には「自分が無駄な金を使わなければあと何人救えた」と嘆く。アーモンはメイドのヘレンに対して非人道的な言動を取るが、妙な感情を抱いていることに気付いてしまう。彼らの気持ちの揺らぎが、私にとっては動揺となり、無慈悲な態度を貫き通して欲しかった気持ちがどうしても拭えないのである(ツンデレに耐えきれなかったのかもしれない)。
暗すぎるであろうと思われるくらいの光と影の使い方も良かった。特に、オスカーの顔を斜め横から撮ったときに輪郭に沿って影が出来るショットなど、ヤヌス・カミンスキーの偉業を成し得た瞬間だと感じる。
sukekooo

sukekooo