ひろゆき

シンドラーのリストのひろゆきのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.1
銀幕短評(#43)
「シンドラーのリスト」

1993年、アメリカ。3時間15分。
総合評価 81点。

スピルバーグの著名なモノクロ長編を、今ごろの初見。アカデミー賞、作品・監督・脚色・撮影・編集・美術・作曲、の各賞受賞。

ナチスによるユダヤ人の大虐殺(いわゆるホロコースト)を冷徹な視線で捉える。史実は1940年代初頭(今からたった70年前だ。さらに この映画の公開はもう23年も前だ)で、6百万人もの無辜(むこ)の人びとが惨殺された。

ひとが他のひとを人間より劣るものとして扱った史実は多いが、「それでも夜は明ける」(連載#30)に描かれた 米国黒人奴隷制度が記憶に新しい。黒人奴隷の扱いは大量の生き殺しであったのに対して、ユダヤ人迫害は大量の市民集団殺人であり、どちらも現代史における人類の大汚点である。

自分の精神力が弱い者は、平気で相手を傷つけ 追い詰められれば殺すし、そのために無自覚で相手を激しく攻撃する。強い精神をもつ者は、そのような愚はおかさない。

しっかりした基盤に根ざして より強い精神を修養することが、彼らの次世代であるわれわれに強く求められている。

あきらめや無関心で、つぎの惨禍を生んではならない。
ひろゆき

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