デヴィッド君に恋してる

シンドラーのリストのデヴィッド君に恋してるのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.3
第二次世界大戦の最中、ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺が進む中、ナチス党員でありながら数多くのユダヤ人の命を救おうとする一人の男がいた───

語り継いでいくべき実話。
泣けた!やっぱり、ものすごく良い映画だった…この感動は後を引く!!!

これは当然のごとくアカデミー賞などの各なる映画賞を総ナメでしょう!!!

この作品の存在は今までずっと頭の片隅にいて、いつか絶対に観なくちゃいけないなって思ってて、今ここでやっと。

3時間以上もある本編だけれど、私は長く感じなかった。

こんなにも酷く悲しい物語なのに映画的にとても観やすかった。白黒なのが良かったのかもしれない。色を判別できない事が、命の重さを問われるかのごとく存在感を放つ。

オスカー・シンドラー
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アーモン・ゲート

対立的立場にありながら心を通わす2人。対比的な善と悪、彼らが何も変わらない同じ赤い血の通った人間同士であるという愚かで虚しい性。

言うまでもなく、シンドラー役 リーアム・ニーソンさん、アーモン役 レイフ・ファインズさん両者共に大変素晴らしい演技を魅せてくれた。

やっぱり悪役が良いと作品のメッセージ性も高まるんだなと思った。バットマンのジョーカーが下手すると主役のバットマンよりも際立って印象深いキャラクターだと感じられるのと同じように。

アーモン・ゲートが遊び気分でバルコニーから理由も無く無差別に労働中のユダヤ人をライフルで狙い、女、子供構わず撃ち殺すシーンには本気で背筋が凍りついた。

あんなに簡単に人が死ぬのを何度も見せられると、恐ろしい事に「人を殺す」行為そのものが意味を成さなく思えてくる。人が無惨に殺されることに何も感じなくなってくる。感覚の麻痺。戦争ハイ?みたいな現象ってこういう事をいうのか。

彼らは別に死んでも良いし、死ななくても、どっちでも良い。

そう、彼らは虫けら以下の扱い。まるで地面に落ちているゴミを靴のかかとで思いっきり蹴り落としひねり潰すかのように、無慈悲に殺されまくる。虐待されるのなんて全然マシな方だ。

アーモン・ゲートという人物が直接殺したユダヤ人はゆうに500人を越えているらしい…。いくら戦争だとはいえ自らの権力と弱い者の殺戮に楽しみ酔いしれるあたり、彼は本格的にサイコパスだったのではないか。

最後、そんな冷酷な彼が乗る絞首刑用のはずみ台が何度も粗末に蹴られているシーン。あれが皮肉にも滑稽に見えるのは、製作陣の狙い通りなのだろう。

実はこのシーン、思わずクスッっと笑っちゃったんだけど、それって翌々考えると怖いことだよね。人が処刑されるのを見て笑っちゃうなんてさ…。自分の中にも残酷さがある事を実感したシーンだった。

Wikiで調べたら、彼の処刑は2度失敗して、3度目にしてやっと成功したらしい。この時、彼は37歳。死ぬ時、どんな気持ちだったんだろうなぁ。罪の認識や罪悪感は全く無かったんだろうか…

このサディスティックな難しい役柄を演じきったレイフさん、本当に素晴らしかった。セクシーなのに残酷で恐ろしく危ない魅力に取り憑かれた人。彼の佇まい、顔の表情やセリフ、仕草、全部が最高にゾクゾクした。

これは私の中の名悪役トップ入りになりそう♡
それだけ衝撃的だった!!!

戦争の歴史を知るためにも、誰もが一度は鑑賞するといい傑作でしょう。人間であるならば、この命の重みを体感しなくては。

鑑賞後にジャケット写真を見て感じたこと。
この感情こそが全て。
大切にしたい。

この映画を世に広め真実を伝えたスピルバーグ監督は、シンドラーさんと同じくらい偉大なお人だ。

*☆Keyword*☆
『名前を忘れてはいけないあの人』