チュン太theRelax

シンドラーのリストのチュン太theRelaxのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
5.0
スピルバーグは私に、戦争反対、そして兵器への偏愛が矛盾せず同じ人間に同居することを教えてくれる。
高校生の頃、映画館で三時間、ケツを痛めながら鑑賞したこの映画を、私はこれまでに幾度となく見てきた。それは思想的共感や感傷耽溺が私を駆り立てたのではなく、完全にフェティズムを満たすためであった。
冒頭、次々に用意される折りたたみ机。軍隊が書類に大型のハンコを押す音。ドイツなまり英語による人員点呼。ユダヤの行列に際限なく吠え掛かる犬…ナチはケモノと形容されることは多々…の声。踏み潰される電球。シャンパンの開く音。いくらでも例は尽きないが、明確に全てが特定のこだわりの元に調整されている。目よりも耳に忍び寄る戦前の音、耳を澄ます、戦禍に対し耳を澄ますべきであると。忍び寄るようだ。何が?わざわざ巧妙に準備された、意味を与えられることのなかった死がだ!視覚はすでに色を失っているのだよ、耳をさらに澄ますためにだ!わかったかバカヤロー!!
というわけでシンドラーのリストが大好きです。
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