ちゃん

シンドラーのリストのちゃんのレビュー・感想・評価

シンドラーのリスト(1993年製作の映画)
4.3
1200/6000000
ナチスドイツ時代。実業家のシンドラーは奴隷同様のユダヤ人を低賃金で働かせ自身は豪遊の限りを尽くしていた。金と成功が全てでユダヤ人の事などどうでもよかった。
しかし虐殺されていく彼等を目の当たりにし考えを変え始めた。この金で、この地位で、1人でも多く彼らの命を救うことができないだろうかと。

3時間と非常に長い映画だったがあっという間に終わってしまった。白黒演出が最初は気になっていたがそれ故に無駄なことを考えなくなり映画に引き込まれて行った。
作中にて「このバッチ1つであと1人は救えたはずなんだ!1人だぞ!」って言っててやっと1人の命が重いことを思い出した。それくらいこの作品は、というかこの時代は命が軽視されている。本当に恐ろしい時代だしスピルバーグの見せ方は凄いと思った。

また、全て見て思ったのがこの映画、大声を上げて楽しむ・喜ぶという表現がなかった。あったとしてもそれはナチ党でユダヤ人は解放時含め誰一人としてそのシーンがなかった気がする。それは虐殺された同胞達が胸にいるからなのだろうと思うとなんとも切ない気分になってしまった。

ただ最後の多くを語らないあの数分のシーンで何かが報われた気がしたし、あれがこの映画の真髄でもあった。
スピルバーグ含め有名なユダヤ系の俳優とかもシンドラーのリストの子孫なのかな…と思いを馳せたりしたのは私だけではないハズだ。

ナチスドイツ系の映画においてこの映画が頂点と呼ばれる理由が分かる。
ちゃん

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