こぅ

フール・フォア・ラブのこぅのレビュー・感想・評価

フール・フォア・ラブ(1985年製作の映画)
4.4
【追悼 ハリー】。

サム・シェパード脚本、ロバート・アルトマン監督
による【文芸ラブ・ロマンス】。

アメリカ南西部、荒野の寂れたモーテルに馬を連れた野卑な男エディ(サム・シェパード)がやって来る。モーテルには若い女メイ(キム・ベイシンガー)と飲んだくれの親父(ハリー・ディーン・スタントン)が住んでいたが、エディとは何か特別な関係があるらしい。激しく言い争うエディとメイ、そして…。ある男の登場をきっかけに、3人の特殊な関係が明らかにされていく…。

ムード的には、サムの脚本と、荒野と、ハリーが
揃っているので、もう一つの【パリ、テキサス】的
な趣強し。しかも製作年が翌年だ。

登場人物が少なく、最初は、不審な行動で、3人
の関係性が分から無いが、進むにつれ分かってくる。
モーテルと周辺のみで、舞台劇でもいけそうだなと
思っていたら、サムの舞台劇だった。
このシチュエーションもロケーション(レトロな
モーテルのピンクのネオンが可愛い。)も好み。

スローテンポで激愛のエディと、素直に許せない
メイのしつこいいがみ合いでも観ていられるのは、
少しずつ展開をみせる脚本と、演技と、撮影(長回し
、ロングショット、ズームイン&アウト)の賜物で
あろう。

2人が気持ち歩み寄る【溜め】シークエンスが凄い。

一度去るエディの2回目の登場が粋だし、意外な
人物の登場と行動が印象的。

サムもハリーもカウボーイスタイルがメチャ似合う
し、キムは、殆どが赤いドレスやスリップ姿で、
セクシー祭。
サムは馬を乗りこなし、
ハリーは、ずっとクールな役と思いきや、、
と、見所満載。


クライマックスの構成(収束)はお見事‼︎
(アイツは完全に蚊帳の外)ラストは、観る者を
突き放す⁈。
こぅ

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