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カーズのkouのレビュー・感想・評価

カーズ(2006年製作の映画)
4.0
《誰かのために》

PIXARの作品は多くの人に受け入れられる素晴らしい作品が多い。僕も大好きだ。愛くるしいキャラクターと秀逸なストーリー、大人も子供も感動できるという点で、PIXARアニメの評価はとても高い。このカーズももちろん、他のPIXAR映画のように、大人も子供も感動できる素敵な映画だった。

主人公のマックイーンは自分勝手で、自分のことしか考えていない。相手と上辺だけで付き合い、自分一人で何もかもができると思い込んでいる。しかし、迷い込んだ田舎街で人々の魅力に気づき、その街のために何かをしたいと思う。誰かのために何かをするということは、自分一人のことだけを考えていた世界よりずっとずっと素敵だ。人を頼り、そして頼られることの、当たり前だけれど生きていくうえで欠かせないことをこの映画は教えてくれる。主人公が成長し、感動的なラストだった。

もう一つ印象に残っているのは、田舎町の素晴らしい景色を見ながらサリーが「昔は楽しむために走っていたのではなく、楽しみながら走っていた。」と言うシーンだ。目的地の先の楽しさが重要なのではなく、その過程に楽しさがある。日々を忙しさに追われ、時間を惜しんで生活するのではなく、寄り道をしたり、ゆっくり進んだりして得ることも多い。それは旅だけでなく、僕らの人生も。

可愛らしい車のキャラクターだが、僕らに置き換えることができ、そして大事なことを思い出させてくれる映画だった。
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