半兵衛

直撃地獄拳 大逆転の半兵衛のレビュー・感想・評価

直撃地獄拳 大逆転(1974年製作の映画)
4.2
90年前半の麻里愛が出てきた頃のこち亀を思わせる、下ネタあり体を張ったギャグありのノリで作られた映画。

千葉真一、佐藤允、郷えい治の三人がいがみ合い、時には子供っぽい喧嘩や悪戯をしながら仕事をしていくのが笑える。特に郷えい治は糞まみれになり、手を接着剤でテーブルにくっつけられたり(しばらく手とテーブルの板がくっついたままになっているのも爆笑)、挙げ句の果てに火まみれになったりと散々な目に。三人と絡む中島ゆたかも、本来なら真面目な女キャラなのに何故か途中から三人とギャグかますのも可笑しい。こういう馬鹿馬鹿しい笑いは人によって好みが激しいと思うけど、一流のスタッフやキャストが真面目に馬鹿をやっている姿はなんか私は嫌いになれない。

しかもこういう映画は大抵ゆるゆるな感じになるのだが、撮っている監督がアクションの編集に長けた石井輝男だけに中だるみせずに引き締まっている印象に。特にアドバルーンでのアクションシーンや、セスナに乗っての特撮シーンなんか失笑もののはずなのに、石井監督の手腕によってまるで本当にそういうことをやっているような錯覚を覚え、そのうえで見てる人に緊張と笑いを提供する様はさすがとしか言いようがない。ラストの、札束が舞い散る中のアクションシーンも決まっている。

丹波哲郎が正体を現してから、完のテロップがでるまでの笑撃展開は石井輝男監督のマジックが炸裂。
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