たかや

ファントムのたかやのレビュー・感想・評価

ファントム(1922年製作の映画)
3.5
面白い。
聖者が恋を知って、堕ちていく。
堕ちて堕ちて堕ちて、その心の移り変わりがフィルムの色の変化へと滲み出る。

堕ちて人格が壊れてしまえば、この世界も壊れて街が崩壊し、歪んでしまうのだ。

人が罪悪感を覚えて現実に気づくのには、全てが終わり、喉元を過ぎてしまわねばはならないことを教えてくれる。そしてそうなった人間は、罰を受けることで許されようとするのだ。

この作品で面白いのは、登場人物の所作だけは最初から最後まで変わらない。それがまるで人の生き方が変わらないことを表現するかのようで、なぜか救われたような気になる。
たかや

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