ドイツに生まれた少年。売れないロック歌手として自由の国で暮らす。性転換手術をするも失敗してしまう。そして人から盗んだ曲でデビューし、自分の存在理由を探す。
数年前にバーで知り合ったおじさんに勧められて、会うたびに「観た?ねえ観た?」って言ってくるのでやっと観てやったよ。
元々、オフ・ブロードウェイで上演していた本作。
主演は、監督と脚本を務めるご本人様。
魂で歌う。それを感じる作品だった。
というよりも、命懸けで歌っているのが痛いほど伝わってきた。
本作は、哲学者のプラトンを基にした楽曲もあって、よく練られた作品なので、プラトンを復習してから再鑑賞したい。
あれほど結婚したがったトミーはヘドウィグにとって自分の”片割れ”だったことに気が付く。
その片割れが、その人であってほしいという願望もあったのだろう。
それを学び、理解していく様はなんとも美しい。
そしてラストのお魂の熱唱。
これほど愛を表現した作品があるのだろうか。