Moeka

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチのMoekaのレビュー・感想・評価

4.0
プラトンの愛の起源を歌詞と物語に取り入れ、同性愛者である監督が主人公を演じ、自分の片割れを探すためにアメリカ中を旅する。もともと人はもう1人とくっついていて、愛は元の形に戻りたいという気持ち、溶け合いたいという自然な気持ちであると。女性の格好をしていた主人公は最後男性の格好に戻る。愛を見つけ、2人は別れたが、芸術になった時永遠になり、自分に内在するもう1人とまた出会うというストーリーに泣かされた。同性愛を取り扱いながらも根本的な”愛”の概念に迫る本作はこの監督が作るからこそだろう。言葉で表しきれなくなった時に音楽が始まるというが、性を超越した稀代のロッカー達は彼らだけの葛藤を抱えながら、ずっと還りたいと思っていたのだろうか。元の形とは魂のことだろう。卑猥な歌詞、不器用な恋人達、魂の叫び、特別な映画にまた出会えたと思った。
Moeka

Moeka