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ヘドウィグ・アンド・アングリーインチのakikoのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

旧東ドイツ出身のヘドウィグはアングリーインチというロックバンドで全米各地を旅している。
幼い頃に母から聞いた愛の起源について、性転換をしたいきさつ、夫との離婚や若きロックスターとの出会いと別れ等、これまでの人生が彼女の歌と共に語られていく。

この映画のキーワードになっている愛の起源「The Origin Of Love」やタイトルにもなっている「Angry Inch」を始め名曲揃いです。
「Wig In A Box」も好きだな〜

ラスト2曲の流れがまたとても良い。
元恋人トミーの「Wicked Little Town」では完全な決別が描かれている気がする。
ちゃんとさよならは言わないと先に進めないよね。
そして「Midnight Radio」をヘドウィグはトミーと同じく、額に十字を描いてカツラや派手な衣装も身に纏わずに歌う。
歌詞は今までの自らや周りの全てを肯定しているようで泣きそうになるし、最高にエモく、ロックンロール。
今までのライブで怪訝な顔や好奇の眼差しを向けていた観客はもう1人もいない。

ラストシーンはアニメーションで二人の人間が1つになろうとしては別れ、何度もまた1つになろうとするイメージが描かれている。
ぐるぐると混ざり合って溶け合うように1人になったイラストがヘドウィグの体にタトゥーで入っており、裸で1人暗い路地裏を歩き出していく。

愛の起源を信じて、自分の片割れとなる人を探してきたヘドウィグ。
自分には何か足りない、不完全だと思うからきっとそれを満たしてくれる相方を探していたのだと思うが、最後はありのままの自分を愛して自由になれたのかなと感じて感動した。
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