えいがうるふ

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチのえいがうるふのレビュー・感想・評価

4.7
グラムロック時代のボウイが大好きだった自分には、世界観もセンスも音楽もツボをついていて予想以上に分かりやすい展開の映画だった。愛のためにモンスターとなった自分と葛藤しながら生きる苦悩、それでも結局は愛に救いを見いだし、ありのままの自分を受け入れて生きる純粋なヘドウィグは美しい人間だと思う。一見安っぽいドタバタな演出でも伝えているメッセージはとても深い。歌も素晴らしい。

ちなみに、自分はこのレビューを作品公開から4年後の2005年に別のレビューサイトに書いていた。当時そのサイトには「ホモやゲイの映画は生理的に無理」とあからさまな言葉で拒絶する書き込みもチラホラ載っていた。
「異文化を通して世界を見ることで想像もしなかった目からウロコ体験ができるかもしれないのに、自らその機会を放棄するのはもったいない」と当時の自分は書き残していた。
あれから15年。その長さなりの次代の変遷を感じている。