Longsleeper

殯の森のLongsleeperのレビュー・感想・評価

殯の森(2007年製作の映画)
4.0
映像が語ってくるパワーがやはり段違いな気がする。
小説だったら地の文に託すところを、説明ゼリフに全く置き換えずにすべて映像に託し切っているよう。
セリフは少ないけど映像が雄弁だから、沈黙が多い作品でも重厚さを感じる。
一神教の世界観で死が神様のもとに行くことなら、日本人にとっては自然に還ることなのかも。
神社はもともと森そのものを社殿としていたっていう起源にもしっくり来る。
人はどう死ぬかではなくどう生きるかだと言うけど、この映画ではある男性が死に向かう様子を通して生きてきた様子を写し撮っている。
真子さんに応えることが生き様であり、真子さんのもとへ行くことが死なんだな。
大切な人にもう一度会えて、なおかつ来たところへ還るのであれば、怖いのは別れであって、死は恐ろしいものではないのかもしれない。
真千子にとっては辛い別れがあったようだけれど、いつかまた会えると思えたんじゃないか。
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