【第83回アカデミー賞 衣装デザイン賞ノミネート】
『女王陛下のお気に入り』『恋におちたシェイクスピア』など時代ものの名手サンディ・パウエルが手掛けた黒を基調とした独特の衣装はまあ見事。
監督は『タイタス』『フリーダ』『アクロス・ザ・ユニバース』と本作で四作連続で衣装デザイン賞のみ（『フリーダ』を除く）にノミネートされるという微妙な評価のされ方をしているジュリー・テイモア。
シェイクスピアの同名戯曲を女性主人公に置き換えた本作、やっぱり微妙。
役者陣はみないい。ヘレン・ミレンの貫禄ある佇まいやフェリシティ・ジョーンズの可憐な娘、ベン・ウィショーの儚げな存在感、そしてなによりジャイモン・フンスーの禍々しい演技。
ただやはりCGの使い方が軽く、それが話全体をどうでもよくしてしまってる気がする。孤島でワンパターンな景色が続くし登場人物はシェイクスピア調の固いセリフを言うしで段々飽きてくる。
それに比べてデレク・ジャーマン版は話自体はよく分からないけど鮮烈なシーンの数々、色気ある語り口があり本作より見応えがあった。
