こたつむり

ハリー・ポッターと賢者の石のこたつむりのレビュー・感想・評価

3.4
夢があふれる魔法の世界へようこそ!
世界的に大ヒットした『ハリー・ポッター』シリーズ第一弾。

全シリーズ制覇を目指して第一作目を再鑑賞しましたが。うん。相変わらず、人間界での冷遇から魔法世界の扉が開くところまでの導入部分は素晴らしいですね。どんな世界が待ち受けているのだろう!と胸は高鳴り、期待は膨らむばかりであります。

特に“ダイアゴン横丁”の存在感。
ロンドンの片隅にこんな街並が隠されている…と想像するだけでワクワクしますよね。新製品を陳列している魔法のほうき屋さん。杖を入れた箱が積み上げられている魔法の杖専門店。店頭に並ぶフクロウ達。こういう細かい積み重ねが魔法世界の“リアリティ”を生むのですね。

また、学生生活の描写も素晴らしいです。
薄暗い教室で授業を受ける場面。運動場で空の飛び方を習う場面。寮対抗のスポーツ(クィディッチ)。歓迎会などの食事の場面。いつの間にか、自分が学生になったかのように。ずっぷりとこの世界観にはまってしまいますよ。

そして、ハリーやロン、ハーマイオニーなどを演じた彼らも。まだまだ初々しくて可愛らしいです。本シリーズは彼らの成長を記した側面もありますから、本作の様子を脳裏に刻んでおいた方が今後の楽しみに繋がりそうです。

ただ。
本作の大きな難点。それは上映時間が長いこと。特に中盤までの学生生活を丁寧に描いているがゆえに、全体的に間延びしている印象が拭えません。正直なところ、クライマックスに至るまでに疲れてしまうのですね。出来れば、もう少し脚本がスリムだと良かったと思います。

ただ、それでも。
原作を大きな幹とすると枝葉の取捨選択はしていると思うのです(原作未読なので判断できませんが)。だから、製作者を一概に責めることは出来ないのですが、まあ、こういうのは原作がある映画の宿命なのでしょうね。大きくアレンジすれば原作至上主義者からは非難されますしね。

それと、シリーズ第一作目ということもあって、全体的に“序章”感が漂っているのも…残念であります。上映時間が長くて疲れた上に、到達する部分が中間地点というのは感情の置き所が中途半端になってしまいます。まあ、これも長シリーズの宿命なのでしょうね。

まあ、そんなわけで。
シリーズ全体の導入部としては丁寧に描いた佳作。ですが、シリーズ制覇を考えると自分との相性に不安が残ります。以前は第三作目あたりで断念しているので…最後まで頑張りたいと思いますが…。

To be continued…→→→『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
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