ちろる

赤ちゃん教育のちろるのレビュー・感想・評価

赤ちゃん教育(1938年製作の映画)
3.6
動物学者のデイビッドはゴルフ場で出会ったかなり頭のいかれた女スーザンと何故か縁がつながり、絡まれ続けることに。

とにかくキャサリン・ヘップバーンの押し出しの強いボケよ演技とそれにずっとツッコミを入れ続けるケイリー・グラントとのテンポ良すぎるコミカルなやりとりに見入ってしまった。
クソ真面目そうなデイビッドが、だんだんとクレイジーなスーザンに巻き込まれるうちにテンポが合ってきて・・・

常識的な目で観たら、もうたまったもんじゃないくらいイラつくひどい女のスーザン。
え?いつのまに?いつのまにデイビッドのこと好きになった?って突っ込みたくなるシームレスな展開に私は度肝を抜かされた。
同じ女としていくらでも説教できるくらいやばいし、今までもどんな風に生きてたのかは気になる常軌を逸した事件を次から次へと巻き起こす。
まぁ、そんなスーザンを演じるキャサリン・ヘップバーンですから、蹴りを入れたり、下着姿が丸見えになったり当時の女優さんのイメージを逸脱するような姿が目白押し。
かなり強めのコメディであるという事がわかる。

意見を言えず振り回されて情けない男デイビッドと人の話を聞かない思い込みの激しい女スーザン。男女のダメな姿も1938年も今もそんなに大差ないのですかね?
デフォルメされてるから、イラつくシーンもあるけど、逆に大笑いしちゃいたくなるシーンもあり、なかなか心が忙しい。

とんでもないラブコメですが、目が離せないのはなんと言っても会話のやり取り。ここまで歯切れの良いリズミカルな会話のやり取りは現代のラブコメでも、なかなか見つけられない。
ケイリー・グラントのコメディ演技、ほんと好きです。

ちなみにタイトルにもある、赤ちゃんとはBABYと名付けられた豹のこと。
ってかコメディの小道具としてはあまりにもインパクトが強い。豹送らないでくれ、、まじで。
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