グラビティボルト

陸軍中野学校のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

陸軍中野学校(1966年製作の映画)
5.0
初増村監督作品鑑賞なんだがストレートにテンポが良くて、格好良い上に危険なエロス漂う傑作。
軍人が訓練をするパートから実際に作戦を実行し、内通者の存在が明らかになって、究極の決断を迫られ、心を殺す事でスパイになる男の話。
この密度を90分代に納める技量が凄まじい!ひたすら感嘆。
シネスコの横長に広がる仏頂面の男達がプロの風格を漂わせるんだがその中でも市川雷蔵はより喋らない、表情がブレないにも関わらず存在感を発揮。
そしてその無表情が揺らぐシーンは軒並み精度が高い!オペラの場面とか上質なサスペンスにうっとり。
服毒して余命幾ばくもない女の悶える姿が妙にエロかったりアブノーマルな魅力も満点。