あんじょーら

陸軍中野学校のあんじょーらのレビュー・感想・評価

陸軍中野学校(1966年製作の映画)
3.5
いや、マジで増村保造監督天才的。監督としてどんな作品でもかなりのクオリティに仕上げてくれますね。

今回はスパイもの。本当にジャンルに捕らわれない監督。




陸軍士官学校卒業で陸軍軍人であるミヨシ(市川雷蔵)は、婚約者ユキコ(小川眞由美)と老いた母と共に暮らしています。そんなミヨシは陸軍に呼び出されクサナギ中佐という人物にとても奇妙な質問をたくさん受けますが・・・というのが冒頭です。




まず、モノローグの落ち着いたトーンと、ニヒリズムまで煮詰めかねないダンディズムのような、市川雷蔵の声を含めた演技が凄いです。市川雷蔵、名前だけは知っていたスターですけれど、確かにスパイっぽく見えました。




また、大変な運命を背負う事になるんですけれど、その際の無理な演出をしない、大袈裟にならない、地に足の着いた演出がとても心地よいです。




ヒロインの小川眞由美さんも素晴らしい演技です。それにしても増村監督作品のヒロインは、今のところみな一様に、激しく悩んでいますね・・・




本当のところ、陸軍中野学校の存在や、その活動は分かりませんが、私には、陸軍中野学校と言えばサンデーに掲載されていた漫画を思い出してしまいます・・・




しかし、市川雷蔵も、もう少し追いかけてみたい気もする。