Kuuta

キングコングの逆襲のKuutaのレビュー・感想・評価

キングコングの逆襲(1967年製作の映画)
3.1
・例によってコングは不細工だが、対照的にメカニコングのデザインは秀逸。コングっぽさと、西洋の甲冑のような人工的なゴツゴツ感がうまくミックスされている。

・作戦に失敗したドクター・フー(天本英世)は、すぐに基地で反省会を開く。コングがいるフロアでは、みんな律儀に保安帽を被ってるのがよかった(天本英世だけ被らない)。基地の壁時計が妙にポップなのも気になった。天本英世は歯がボロボロでセリフも聞き取りづらいが、見る者を画面に集中させる不思議な存在感がある。

・ゴロザウルスがめちゃくちゃかわいい。倒れた状態からコングの足を噛む健気な攻撃に涙腺を刺激された。ドロップキック3連発でコングを苦しめるも、投げ技から流れるように寝技に持ち込まれ、最後はタコ殴り。本家オマージュの生々しい死にっぷりを見せている。

・コングが引っこ抜いた木をヘリコプターに投げつける場面はモンスターバースで引用されている。島から人間を見送る場面、魂が抜けたように直立不動で見ているのがかなり不気味。

・謎のスパイを演じる浜美枝の衣装が、登場するたびに変化する(スパイだから?)。女子トイレの鏡の前で、口紅に模した無線機を使う場面が良かった。主人公チームの司令官を色仕掛けで狙う場面、浜美枝の背景に寝室のベッドが映り込む。

・コングの危険を伝えに来た原住民を至近距離から撃ち殺すドクター・フー。ひどい。島の名前は「モンド島」。

・宝田明を始め、主人公チームには特に魅力を感じなかったが、ジャングル探検にミニスカートとハイヒールでやってくるヒロイン(リンダ・ミラー)は味わい深かった。

・終盤の破壊シーンは安定のクオリティで特にタワーの出来は良いが、前年の傑作「サンダ対ガイラ」と比べるとどうしても物足りない。メカニコングの死に方はきちんと本家をなぞらえており、シーンの起点は落下アクション。爆弾を落とすメカニコング、睡眠薬を落とす天本英世。眠っているコングの顔に作業員が工具を落としてしまうヒヤリハット事案。61点。
Kuuta

Kuuta