てづか

二十歳の原点のてづかのネタバレレビュー・内容・結末

二十歳の原点(1973年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

観終わったあと、言葉が出ないほど共感の嵐だったし感情移入しまくって自分を重ねまくって涙が出た。

昨日の哀愁しんでれらでも同じようなことを書いているのでホントかよと思われるかもしれないけれど、本当にそうなのだ。

もう少し冷静な目で観れば映画としての欠陥も見えてくるのだろうけど、今の私にとってはそれすら構ってられないくらいに自分をみた映画だった。多分ひとりで観に行っていたらしばらく立ち上がれなかったと思う。

自分は独りだ、自分を愛するのは自分だけだ、その自分すら信じて良いものなのだろうか?といった考えが、いつかの自分と本当に寸分違わず同じ思いだったので胸が締めつけられるようでとても苦しかった。

鈴木のような男に惹かれて妄想で恋をする気持ちも、それが叶わないままに鈴木以外の男(中村)に抱かれる気持ちも、そしてそれなりには中村のことを思う気持ちも、そこから一気に冷める気持ちも、まあ分かる。これは誰にでもよくある事だと思う。

そのことに対して色々と高尚なそれらしい理由をつけて悩んでしまうことも、そして悩んだ末に至る結論も、分かるのだけど…だったら最後はあの表情でしめるのはやっぱりおかしいよなあとは思う。ああなったら逆にその先もちゃんと生きていけると、観終わった後に人と話していて本当にそうだなと思った。

死ぬのが怖い自分もいることに気づいたなら、私みたいになんかようわからんことで苦しみながらものうのうと生きてはいける。
そこを越えて彼女がたどり着いた答えを、作り手側が変えてしまうのはやっぱ違うよなと。


とりあえず、今は元になった本が届くのを待つばかり。読んだらどんな風に思うかな。
それを読まないとまだちゃんとしたレビューは出来ないかなと思う。


中村のおバカな感じは正直すっごい好き。


なんにせよ、この映画を観れて本当に良かったと思ってる。

私の原点を私も読み返さなければいけないと思うので、やっぱり実家からヤバかった時の日記は引っ張り出して来るべきだなあと思うなどした。


追記
今更だけど、このレビューって、なにも書いてないなって思って嫌になった

本当は誰よりも愛されたくて認めて欲しくていたのにそれが叶わなかったとき、どうにもならないと思ったとき、誰も自分のことを愛してはくれないと思ったとき、自分という人間が自分以外の誰をも愛せない人間であると気づいたとき、死ぬ以外に道がないなと思った自分を鮮明に思い出したし、そうしようと思ってやろうとしても怖くてやりきれなかった自分を思い出してそのときの情けなさとか安心感とか生きたい自分を見つけたときの怖さとか、生きんのも死ぬのも怖くてどうしようもないなと思ったあの気持ちとか、そういうのを全部思い出したから、この映画を観てあんなに辛かったし共感したんだなとも思うし、だからこそ全く反対の道を歩んでいるのだなというのも理解できる気がした

いまは、誰のためにも生きられない自分が嫌で辛い。自分を守ろうとする自分が嫌い。その思考から抜け出せない弱さもずるさも卑しさも何もかも許せない。


気がしただけだし、ものすごく主観的なただの私の気持ちだから、それが本当に合っているかなんて知らないけど。共感というより、一方的なシンパシーって感じだなあ。
てづか

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