この映画を見た後の衝撃は忘れられない。
とにかくぶっ飛んだ、その当時からは考えつかないサスペンスと、いわゆるプロファイリングと言う概念、さらにサイコパス描写に、深層心理、という私が大好きな要素が詰まった作品だった。
パンフレットを自分で買ったのもかなり珍しいのですが(貧乏な学生時代の話しです、今も貧乏だけど)、その中には大林監督の『この映画はクラリスとレクターのラブロマンス』という評論が載ってて、納得してしまった。
キービジュアルのあの有名な蛾のドクロマークも、わざわざ人(女)が何人も重なってドクロの形を作り上げている作り込みのアツさも尋常じゃない感じがして凄かった。
このサイコサスペンスと言うジャンルが大好きになった傑作は、以降様々な形で大量に生産されるんだけど、この作品を超えたな、と思える作品にはついに出会えていない。
キャスティングも最高だし、クラリスはやはりジュディ・フォスターのこの頃だけのモノだし、レクターはどう考えてもアンソニー・ホプキンスしか考えられない。
もちろん原作も後追いして、シリーズは全部読んだし、関連映画も全部見たけど、本作を超える内容ではなかった。原作はそれなりの結末を描いてくれてはいます、好みは別れるところだと思いますが。
ジョナサン・デミ監督の最高傑作。