ChunChun

羊たちの沈黙のChunChunのレビュー・感想・評価

羊たちの沈黙(1990年製作の映画)
4.5
息を呑む傑作。”羊”と”蛾”。羊は様々なメタファーとして作品に反映され、クラリスの幼少の記憶から連続殺人の皮剥ぎに然り随所に反映される。そして作品全体に補食するもの、されるものという対立構造が様々なストロークから絡み合い、交錯するのが醍醐味だろう。補食されるものから補食するものへの変身願望は蛾に象徴され、クラリスもするかされるかの狭間を揺れ動くのだ。人間の奥に潜む猟奇性を決して直接的ではなく闇に深めたまま、抗い難いミステリアスな蜜の匂いを漂わせ、観るものは補食される側となるわけだ。ホンプキンスのダークな魅力は逸脱している。
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