青二歳

協力防空戦の青二歳のネタバレレビュー・内容・結末

協力防空戦(1942年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

戦前アニメの中では観ていてかなりツライ…珍しい実用アニメ。なんと空襲に備えるための超実用啓発アニメです。焼夷弾の種類、着火装置の違いおよび燃料の性質の違いを説明し、油系か化学反応系かで消化方法が異なるので、水か土をかぶせるよう細かく解説があります。
なにが…なにがツライって…こんな隣組のバケツリレーじゃ間に合わない程大量の焼夷弾が降り注ぎ何万人も焼き殺された史実を知っているから…!戦略空爆(工場等を狙う)のハズレ玉とか誤爆ならこんなふうに隣組で対処できたと思いますが…空襲はそんなレベルでは済まない大量の爆弾が投下されたから…

戦時下にあるとある家畜村(そこは動物村でいいだろと思いますが畜産の近代化が進むのは戦後を待たねばなりませんので、現代の我々が想定するいわゆる経済動物よりもっと広いニュアンスだと思われます)。戦時下といい敵とはいうけど、これまた戦中邦画のお約束で“敵”を悪し様には言わないんですね。日露戦争時も露助って言葉が子供たちの間で流行った時、敵とは言えそんな言葉を使っちゃいかんと文部大臣令でお触れだしてましたしね。鬼畜米兵も朝日新聞とかメディアがこぞって使ったものだったと研究も出ていますし。
…(тωт。`)空襲の甚大な被害をおもうとそんな配慮がつらすぎる。…はぁ…うさぎだタヌキだの動物のモーションがやたら可愛い分余計切なくなるわ。
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