jj

夜と霧のjjのレビュー・感想・評価

夜と霧(1955年製作の映画)
-
生理的苦痛を共有するという点ではアイゼンハウアーの指示で制作されたジョージ・スティーヴンス『ナチス絶滅収容所』(1945)が本作よりも記録映像に徹していて価値があるし、倫理的・感情的に悲劇を共有し多くの人に訴えかけるという点ではスピルバーグの『シンドラーのリスト』(1993)が良くも悪くも優れている。本作は中途半端だと思う。記録映像を流すならそれに絞った方が良いし、現在の映像で構成するならばナレーションで映像の補完をすればいいだろうし、劇映画というわけでもないし(『ヒロシマモナムール』も劇映画だけどちょっとどうなん?って思うけど言葉にまとめられん)、これ見せられても、うーんとしか言えないよ。そりゃあホロコースト最低だって殆どの人思ってるし!そこから先の観点へと誘い議論を呼ばせるのがメディアとしての映画の作家の倫理ではないの?(結果的にこれとシンドラーのリストが作られたことに反発して『ショア』が作られたならば無駄ではなかったのかもしれないけど)
jj

jj