kabarrr

夜と霧のkabarrrのレビュー・感想・評価

夜と霧(1955年製作の映画)
-
この映画には点数は不用意に付けたくない。
それでもってレビューとかは見ずに、先入観なく観賞すべきだと思う。(まあ、そう言いながらレビューを書くのだが)

ドキュメンタリーも誰かの作品である事を忘れてはいけない。つまりこれは事実の全てではなく、ー例えば、人間石鹸の製造を裏付ける証拠は見つかっていないーあくまでも監督という名の観測者の描くイメージだと言う事だ。アラン・レネはそれを痛切に理解しているから、この映画は鑑賞者に委ねることなく、また共感を求めても来ないのだろう。在るのは背筋を這う冷たさだけだ。考えれば考える程に、どう受け止めるべきなのか分からなくなる。断言が出来ることは、この監督が"夜と霧"という異常なエネルギーを持つ作品を作ったことのみ。正直、こんな映画観る必要なんてないのかもしれない。少なくとも誰かに勧めようとはしない。それでも個人的には観なければと思ってしまう。
kabarrr

kabarrr