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たそがれの女心のnagashingのレビュー・感想・評価

たそがれの女心(1953年製作の映画)
4.0
渡米以前の作品も悪くはなかったが、やっぱりこのどこまでも人を追っていく流麗なカメラワークが堪能できないのはものたりない。人もくるくる回り、カメラもくるくる動き、ついでにマクガフィンのイヤリングもくるくる流転する。頭カラッポなダニエル・ダリューの浅慮すぎる嘘が、ガリガリとドラマを駆動していくのがかなりおもしろい。時空を超越するダンス、隔てられた夫婦の寝室、雪へと変貌する紙吹雪も最高。オペラハウスのドアマンによる扉の開閉、宝石商の息子による螺旋階段の昇降などの小さな反復(楽しい!)と、駅での見送り、クローゼットの物色、教会でのお祈りなどの大きな反復が散見される。うつろいとくりかえしの世界。