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たそがれの女心のペインのレビュー・感想・評価

たそがれの女心(1953年製作の映画)
4.0
『ファントム・スレッド』を作る際にポール・トーマス・アンダーソンが参考にしたというマックス・オフュルス監督作(※インタビューで挙げていた作品は『快楽』)。

それも納得の次から次へと部屋中を縦横無尽に動き回る流麗なカメラ、高貴で華やかな美術、衣装、建築。この辺りは今観てもハッとさせられるでしょう(『快楽』に比べるとカメラワークは大人しめでした)。

スジに関してはやや陳腐さを感じてしまったが、それでも見入ってしまう。

メインの男二人(※片割れはあの『自転車泥棒』ヴィトリオ・デ・シーカ監督)があまりに容姿が似ていて、見分けがつきずらくなってしまったのは難点。

ただ、やっぱり本当に女性を撮るのは巧すぎてビビる。オフュルスと同時代の女性映画の名手である溝口健二と双璧。

P.S.
オフュルス監督は誰もいなくなったダンスホールで恋人たちを二人だけで踊らせがち。今の所、私的最高傑作は『快楽』。『快楽』は観ず死ね映画です。
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