みりお

スプライスのみりおのネタバレレビュー・内容・結末

スプライス(2008年製作の映画)
2.4

このレビューはネタバレを含みます

昔観た胸糞映画って、無性にまた観たくなるときありませんか😅❓笑
なぜかアマプラで検索までして観てしまった😂💦

いや〜何回観ても胸糞‼️
倫理を飛び越えて、ありとあらゆる道徳を排した感じ…
しかも結局メッセージは、「女は女としての務めを果たせ」感が強くて、ますます胸糞😤
でもこの作品がただのバイオパニック作品に終わらないのは、敢えて登場人物に倫理観を捨てさせて、そのツケをきちんと払わせることにあるんだよなぁ💦

親との不仲(おそらく虐待)を乗り越えないまま大人になったエルサは、一生を添い遂げようと思う相手・クライヴがいても、結婚や子供を先延ばしにする日々。
「いまの2人の生活のバランスを壊したくないの」
「男が妊娠できるようになったらいいわよ」
と理由をつけて、子供を産むことを先延ばしにする様子からは、お腹を痛めて生みだした命を、自分の母親の様に傷つけてしまうのではないかとの不安を感じる。
ここまでは、被虐待者のごく一般的な反応かな。

ただ研究者のエルサは、自分のお腹を痛めずに、自身の遺伝子を使って人工的に命を生み出すことに執着し、生まれてきたお世辞にも可愛いとは言えないクリーチャー・ドレンに異様な愛着を見せる。
しかしドレンが徐々に成長し、反抗したりわがままを言ったり、自分の思い通りにならない対応をすると、なんと彼女を縛り付けて尻尾を切除してしまう😱
毒針がついてて危険だとは言え、自身のコピーでもある娘の身体を切り刻むエルサ…
思い通りにいかない反応をする我が子への虐待とも取れる行動だが、エルサは「これは実験よ。彼女の生きた細胞から研究成果を生み出すの」と言わんばかりの反応💦

もうここに女のエゴが全て出ていて本当に胸糞💦
母としての「本能的な子への憧れ・愛情」と、同時に女として感じる「同族嫌悪」。
相容れない2つの感情のせめぎ合いが、これでもかと描かれていて、本当に気分が悪くなります💦
そこに男(エルサの彼氏のクライヴ)が絡んできてさらに胸糞展開が続くなど、ともかく倫理も道徳もない展開の連続🌀

ただしこの作品は、そうやってともかく崩壊させた倫理観の世界に、いきなり自業自得という概念と、贖罪をぶち込んでくるからなかなか面白い😂👍
なんやかんやあって自身の遺伝子から生み出し、自身の一部であったドレンにレイプされ妊娠したエルサは、クライヴも喪った状況の中、その子を産む決心をします。
そしてその生まれる子の細胞から画期的な新薬が開発できると踏んだ製薬会社から多額の金を受け取ることに…
念のため「中絶してここを立ち去ってもいいのよ」と女社長に声をかけられるも、エルサは「もう失うものは何もないから」と反論し、契約金もろくに見ずに、一人外を見つめます。

あれほど結婚・出産を嫌がっていたのに、結局出産することになったエルサ。
しかもそれは愛した人の子ですらない💦
愛した人も仕事も名誉も失い、大きなお腹だけを抱える、そんな彼女が発した「失うものはない」という言葉の裏には、科学者として、親として、ありとあらゆる倫理を踏みにじった者としての罪の重さと贖罪が表されているような気がします。
研究の欲求に負けて暴走した彼女が、そしてクライヴとの間に子供を作ることを拒否した彼女が、最終的に産むことになった「わが子」は得体の知れない生き物…
「そんなことになるくらいなら、最初からクライヴとの間に子供を作った方がマシだったでしょ」なんて声が聞こえてきそうなオチ…

だからね、映画に意味を持たせる作品としては面白いと思うのよ✨
ただやはり端々に見えるのは、「自分のお腹を痛めることすらしない女のエゴ」への非難。
いろんなメッセージを省いていくと、どうしてもその考え方が根底にある。
あぁほんと胸糞🌀
21世紀の考え方としてどうかと思うわ😡🌋


【ストーリー】

科学者のクライヴ(エイドリアン・ブロディ)とエルサ(サラ・ポーリー)は倫理に反すると知りつつも、人間と動物のDNAを配合する実験を開始する。
実験は成功し、これまで誰も目にしたことのない新生命体がこの世に生まれ、二人はその新しい生命体にドレンという名前を付け、誰にも知られないように育てることにするのだが……。


【キャスト・スタッフ】

*監督:ヴィンチェンゾ・ナタリ

米・ミシガン州出身🇺🇸
1996年からTVドラマの監督を務め、1997年に『CUBE』で長編監督デビュー🌟
その作品が大ヒットとなったことから注目を集めたそうですが、それ以降は興行的に恵まれた作品はありません😂💦
主な監督作は『カンパニー・マン』『ハウンター』など。


*エルサ:サラ・ポーリー

ほんと自己中で無鉄砲でイヤな役だったけど、ナタリ監督が"そういう女性"として描きすぎだよ、この作品は‼️
サラもよくこんな役引き受けたな😱🌀
彼女はカナダ出身🇨🇦
4歳のときから子役として活躍し、1986年の『クリスマスに届いた愛』で映画デビュー🌟
その後はカナダのTVで活躍する一方、1999年から監督業にも進出✨
2006年の初監督映画『アウェイ・フロム・ハー君を想う』では、ニューヨーク映画批評家協会賞の新人監督賞などを受賞し、第80回アカデミー賞脚色賞にもノミネートされました✨
主な出演作は『死ぬまでにしたい10のこと』『ドーン・オブ・ザ・デッド』など。


*クライヴ:エイドリアン・ブロディ

あぁ〜胸糞な展開の中の唯一の救い😂💓
役としての行動にはマジで腹立たしいけど、このエロカッコよさたまらん🤤💕
若いときのエイドリアンって、すこしアダドラに似たエロさがあってほんと好き💓
彼は米・ニューヨーク州出身🇺🇸
少年の頃は素行不良の友人と関係を持っていたため両親が強制的に演劇学校に入学させたんだとか😂💦
そして1986年にTV映画でデビューし、1988年に『Home at Last』で映画デビュー🌟
2002年の『戦場のピアニスト』では、29歳という史上最年少でアカデミー主演男優賞を獲得し、セザール賞を受賞した初めてのアメリカ人にもなりました❣️
ほんとこの作品のシュピルマンは素晴らしかったなぁ〜💓
エイドリアンの父自身がホロコーストで家族を喪っているため、この作品で彼があの役を演じきったことは本当に意味があることだなと思います✨
主な出演作は『シン・レッド・ライン』『マリー・アントワネットの首飾り』『キング・コング』『ミッドナイト・イン・パリ』『グランド・ブダペスト・ホテル』など。




≪1回目鑑賞:2018/5/17≫
みりお

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