バーには裏専業の人たちが居場所を作り、バーの外でもたむろし、歩けば黒人たちのブルースが街を包む、そんなブロンクスが愛おしくなる作品。
ロバート・デ・ニーロ初監督作。
監督としても才気を発揮し、
いきなり名作で大作の雰囲気。
街のボス、ソニーに屈せずまっすぐに生きる父親と、ブロンクスを仕切り皆から恐れ慕われているソニー、二人の“父親”に見守られて成長していく主人公、カロジェロ。
ソニーとの絶妙な距離感がたまらない。
そして、主人公はバスで黒人少女に一目惚れ。
自然でナチュラルなセクシーさが魅力。
黒人と白人のやりきれない関係。
黒人が一方的にやられっぱなしの世相とは若干違うので、また別のものが見えてきた。
その中で、二人が仲良くする束の間のシーンは笑みが止まらない、本当に幸せな一瞬。
バイオレンスシーンのカメラワークはキメキメ、だけれどラブシーンは突如甘く、音楽も常に心地よいタイミング、とデ・ニーロのセンスの良さは満点。
ヴィンテージテイスト派手派手レトロワンピースの着こなしも可愛い👗
裏専業の人間、他者を傷つけ追い詰めてしまった人、共に報いがあるのは宿命だし映画のルールだが、ブロンクスの人たちに愛着が湧いてしまい、何も起こらないで!お願い!と願ってしまったね‥
ソニーがワルだけどカッコ良すぎた。
でも、父ちゃんの真っ直ぐさも正しくて‥
カロジェロが幸せもんなのは間違いない。
だからこそ、哀しいのだけれど、凄くあったかい作品でもあった。佳作。