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メリー・ポピンズのロクのレビュー・感想・評価

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)
4.1
ウォルト・ディズニー存命中の1964年にディズニー・カンパニーが手掛けたミュージカル映画の傑作の1つに上げられる名作にしてジュリー・アンドリュースの代表作!!ロンドンの桜通りに住む銀行家のバンクス氏は厳格で気難しい性格の持ち主で家庭のことは全て妻のウィニフレッドに任せていたのだが、そんな妻は当時世間で高まりつつあった女性参政権運動(サフラジェット)に夢中で2人の子供ジェーンとマイケルの世話は全て乳母に任せっきりで、そんな両親に不満一杯の幼い2人は事あるごとに問題ばかり起こし、そんな2人の世話に愛想を尽かした乳母が次々と辞めてしまう事態に陥っていた。早速、バンクス氏は新しい乳母を雇うために新聞に広告を出そうとしたところ子供達から「今度は優しくて、美しく、親切で面白い人を希望!」という彼らの希望が書かれた紙をもらうのだが、これに怒ったバンクス氏は紙をビリビリに破いて暖炉に投げ入れてしまう。しかし、その紙は煙突を飛び出し空高く舞い上がり雲の上にいるメリー・ポピンズの手に届き、内容を読んだ彼女は翌朝バンクス家の前で広告を読んで並んでいた大勢の応募者を吹き飛ばし上空から傘を差してバンクス家にやって来ます。優しくて美しいだけではなく魔法も使えるメリー・ポピンズに子供達は大喜びで瞬く間に仲良くなりメリーの友人である大道芸人バートが描いた絵の中に飛び込んで遊んだり笑いが止まらないせいで宙に浮かんだ叔父さんと一緒に空に浮かんだりと不思議で楽しい毎日を送ります。しかし、彼女に懐く子供達に対し苦々しく思っていたバンク氏は子供達を自分が勤める銀行に連れて行き父親としての威厳と厳格さを教えようと考え2人を銀行に連れていくのだが、それが思わぬ事態へと発展してしまうことになる...さすがウォルト・ディズニーが存命中に作られた作品だけあって今の商業主義に走りまくっているディズニーとは違い本当に大切な物は仕事やお金ではなく家族や子供達なんだということをヒューマニズム溢れる描写で描いていてこれぞディズニー映画!と胸を張って勧められる名作です。主演を務めたジュリー・アンドリュースの美しさはもちろん学校の音楽時間でも歌われている「チムチム・チェリー」や「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」といった名曲の数々やアニメと実写を合成させた当時としては画期的な撮影技術など見所も沢山ある作品です。来年、54年ぶりに続編が公開されますので、今一度この名作を観直してみるのも良いですよ。あと、本作と一緒に本作の原作者であるパメラさんとウォルト・ディズニーの交流を描いた「ウォルト・ディズニーの約束」も合わせて観るとより深く本作のことが解りますよ!
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