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メリー・ポピンズのbeachboss114のレビュー・感想・評価

メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)
5.0
捨て曲なしの名曲揃い、あっという間の2時間半。ミュージカルが苦手な人でも、これならギリギリいけるんじゃないかな。

8歳の娘の情操教育も兼ねて30年ぶりに見直したんだけど、50過ぎの性格歪んだオッサンでもまだまだ十分楽しめた。

今回、改めて目を引いたのはディック・ヴァン・ダイクの芸達者ぶりと異様な足の長さ(指も)。おかげで銀行の頭取が出てきた時、一瞬で二役だと分かった。

そして初めて見た時と同様に唸らされたのは、ポピンズ登場に際して、「風向きが変わる」から「面接に並ぶお手伝いさんが吹き飛ばされる」を経て「真打ち飛来」「着地」に至るシークエンスの鮮やかさ。さらに退場時には、あの浮遊感で一抹の寂しさを打ち消し、別れにも関わらず幸せな気分にしてくれる。

別れもまた始まりであり、明るい未来を予感させる一つの節目。離れていても「糸」で繋がっている「凧揚げ」をエンディングにしたというのも、これまた象徴的で巧い。
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