けんくり

ある子供のけんくりのレビュー・感想・評価

ある子供(2005年製作の映画)
4.5

「ある子供」の物語。

盗みを繰り返し、金のために自身の息子まで売ってしまう青年。
そんな主人公を、徹底して客観的な視点から追っていく。

倫理的にはあまりにもアウトな行動を繰り返す青年だが、最後まで見ると、この青年が悪人だと切り捨てることは誰にもできないだろう。

報道の裏側に想いを馳せるように、本作は、固定された視点からではわからない、「悪」・「犯罪」と呼ばれる行為の裏事情を抉り出す。

同じくカンヌでパルムドールをとった「万引き家族」とセットで観たい。