このレビューはネタバレを含みます
U-NEXT、スマホアプリでの鑑賞。
ロゼッタを観たあと、ダルデンヌ兄弟作に興味がわき鑑賞しました。
ロゼッタ同様、手持ちカメラ、挿入歌がなく、主人公の生活をそのまま観ているような映画です。
ストーリーがしっかりしていて、引き込まれて一気に見てしまいました。
ブリュノ、馬鹿すぎる…
馬鹿すぎるけど、悪いやつじゃない…
子どもっぽくてかわいいけれど、自分の子どもを売るというすごいことを衝動的にやってしまう。こういうことはままあるんだと思います。
考えが足りず、ぱっとやってしまって、この映画ではあとですごく後悔するのです。
この映画では、子どもを取り返すことができました。でも、もう一歩遅くて子どもを取り返せなかったら?
自分の子どもといっても他人です。実際に人身売買は存在します。これはあくまで映画ですが、ドキュメンタリータッチで、人物たちもリアリテイがあるため、本当にこういうことが起こっているのではと思わされます。
映画のタイトルである、ある子供とは、ブリュノの自身の子供とともに、ブリュノのことの2つの意味があるでしょう。
内容は重いけど、文学的な素晴らしい映画だと思いました。
以下、あらすじです。
盗品を売りさばき生活しているブリュノの元に、彼の子どもを産んだ恋人ソニアが帰ってくるところから、物語がスタートします。
赤ん坊をみて、あなたに似ているわ、洗礼名を考えて、届けを出さなきゃと、育てる気満々のソニア。ブリュノも緊張しながら赤ちゃんを抱き、乳母車を買うなど、若いカップルは初々しいパパママになります。ブリュノとソニアは、ふざけあって追いかけっこをしたり、子どもっぽくも幸せそうです。
ブリュノはいつものように盗品を売りに行くと、買人から子どもを売る人もいると話を聞きます。
ブリュノの暮らしは楽ではありません。ソニアに赤ん坊の散歩を頼まれたブリュノは、思い立ってソニアに内緒で赤ん坊を売ってしまいます。
ソニアに赤ん坊を売ってお金を得た、またすぐ子どもできるよ、と告げます。それを聞いたソニアはショックで気を失ってしまい病院に運ばれます。ソニアの姿を見て、慌てたブリュノは赤ん坊を買い戻します。しかし、一度やってしまったことは無くなりません。ソニアはブリュノを家から追い出し、買人は儲けを失ったとブリュノをゆすります。最終的にブリュノは、盗みを働き、相棒の子どもを庇ったために、警察に捕まってしまいます。
拘置所のブリュノに、ソニアが会いに来ます。ブリュノは、赤ん坊の様子を聞き、泣きはじめます。すごく苦しそうに、やってしまったことを後悔しているように泣き、ソニアの手を取ります。ソニアはブリュノの手を握りかえして頭を撫でて一緒に泣きます。