うみぼうず

フランティックのうみぼうずのレビュー・感想・評価

フランティック(1988年製作の映画)
3.0
外国にいる不安さを描く。心理的にも言語的にも実際的にも不安な中で起きた事件。

冒頭20分くらいのハラハラ感が良い。
エンドロールかのようなオープニングに、パンクするタクシーと不穏さが溢れる。
不穏さはウォーカーのシャワーシーンがクライマックスを迎え、その後の展開に繋がっていく。

が、本当にクライマックスとなってしまっていて後の展開がすごく冗長に感じてしまった。
意味ありげなセリフを言う一方で、説明不足で何が言いたいのか分からない部分がある。
それは画面も同様で、良く言えば細部まで描写されて演出が細やか、ということだろうが、そこに気を配るなら別なことを考えた方がいいのでは…?と疑問を感じること多数。
車のドアを閉める時の首なんか、そこよりもっと描写すべきことがあるだろうと思ってしまう。

撮りたいものはあるものの(赤いドレスやダンス、屋根の上など)、その部分だけがクローズアップされ他が雑になり、視聴者置いてきぼりになっている気がする。

妻が行方不明になる理由も納得いかないし、必要性を感じず、やりたい設定だけ盛った感じにみえる。すごく安易な動機。
ウォーカーがフランティックになっているんだろうが、冷静な部分もあるのに周囲に助けを求めなかったり(特に学会関係)、ちょっと理解できなかった。
うみぼうず

うみぼうず