みおこし

打撃王のみおこしのレビュー・感想・評価

打撃王(1942年製作の映画)
3.5
クラシック映画を観るのが最近の癒し。今の時代にはない、なんとも言えない穏やかで洗練された作品ばかり。モノクロだから出る味なのか、脚本が保守的だったからこそのなせる技なのか、理由はわからないけど本当にこの時代のアメリカ映画大好きです。親さえ生まれてない時代ですが(笑)。

実在の野球選手ルー・ゲーリックの生涯をゲイリー・クーパー主演で映像化した一本。日本ではあまり知られていない選手のようですが、その生涯は波乱そのもの。

クラシック映画の女優さんがものすごーーーく好きな私。個人的四天王はビビアン・リー、バーバラ・スタンウィック、ヴェロニカ・レイク、テレサ・ライト。基本的に気が強い女子が好きなんですが、テレサだけはそれとはむしろ正反対の清純派の女優さん。白雪姫がそのまま実在したら彼女みたいなんだろうな、と。本作も彼女目当てで観たんですが、もうほんとかわいい。今見ても最高級にかわいい(笑)。『ミニヴァー夫人』『疑惑の影』『我等の生涯の最良の年』など、この時代は彼女の出演作が目白押しで、まさに全盛期。

作品としては、やはり実在の人物のお話だけあって真に迫るものがありました。
貧しい家庭に生まれ、時に蔑まれながらも必死に努力して、家族のために野球を続けたゲーリック。
最後の場面は野球界からの引退までを描いてるけど、彼の短い人生のその後を思うと切ないったらもう...(涙)。選手としても一番の時期に37歳で夭折、本当に早すぎる。

全体的にテンポはあまり良くないものの、ただの野球ものにならず、夫婦の絆に焦点を当てていて興味深かったです。お子さん?はいらっしゃらなかったような気がしたんですが、2人のアツアツっぷりがすごい(笑)。
波打ち際でキャッキャッするカップルのような雰囲気。1940年代にもリア充は普通にいたんだな。(当たり前)でもゲイリー・クーパーもめちゃカッコいいので、美男美女のイチャイチャは見てて微笑ましかったです。だからこそラストが悲しいんだけどね...。

気になったのは入院してる少年とのホームランの約束とか、歩けなかった子が歩けるようになったみたいなエピソードが挟まれてて、それってベーブ・ルースの話じゃない?と(笑)。
まあそれはさておき良作でした。本当にテレサ可愛かったな〜。
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