しげのかいり

エネミー・オブ・アメリカのしげのかいりのレビュー・感想・評価

エネミー・オブ・アメリカ(1998年製作の映画)
4.2
『パブリック・エネミーズ』と間違えて予約したのだが、これが大当たりだった。まず、しきりに映る砂嵐、湯気、日射といった、観ることを妨害する「ノイズ」が非常に美しい。監視社会というよりも、監視社会につきもののメディアに紛れ込むノイズが主題となっている作品ではないかと思った。主人公のウィル・スミスもノイズのような存在で、そもそも事件とは関係がないのに巻き込まれている弁護士なのである。こういう監視社会ものサスペンスはたくさんあるが、中でも傑作だというべき作品だろう。